摂食嚥下障害

嚥下・摂食障害とは

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摂食・嚥下とは、①食べ物を認識して口に取り込み、②口の中で食べ物を飲み込みやすい形にして、③口からのどへ、④のどから食道へ、⑤食道から胃へ、送り込む一連の流れをいいます。その流れのいずれかが障害され、食べ物をスムーズに飲み込めなくなることを嚥下障害といいます。

嚥下障害を生じると楽しいはずの食事が苦痛なものに変わってしまいます。また障害が重度になると、食事ができなくなったり、肺炎を引き起こすこともあります。

当院では、このような摂食嚥下障害を専門的に検査、診断、治療を行っています。往診でも承っています。

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対象は

摂食・嚥下外来では 小児から高齢者まで、嚥下障害の方(可能性のある方) すべてを対象に検査、診断、治療を行っています。

嚥下障害でよく見られる症状には次のようなものがあります。

  • ・食べるのが遅くなった
  • ・やせてきた
  • ・食べこぼす
  • ・口の中に食べ物が残る
  • ・のどの奥に食べ物が残る
  • ・食事中にむせる
  • ・咳が出る
  • ・痰が多い
  • ・のどがゴロゴロ鳴る
  • ・風邪以外で熱が出ることがある
  • ・食べ物がつかえる
  • ・飲み込みにくい
  • ・食べ物や胃液が逆流する
  • ・離乳食の段階があがらない(小児)
  • ・哺乳量が増加しない(小児)
など

具体的には下記の様な方が嚥下障害となりやすいです。

成人
  • ● 口やのどの手術を受けた方
  • ● 脳卒中後の方
  • ● 高齢な方
  • ● 神経筋疾患(例:ALS、パーキンソン病、筋ジストロフィー)の方
小児
  • ● 病気のため口から食事をとったことがない小児
  • ● 脳性まひの小児
  • ● 発達遅滞の小児

過去に食事を禁止され以後の評価を受けず食事をずっと中止している方、お食事をしているが、食事に不安がある方など一度詳しい検査を受けてみられませんか?

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どんな検査?

嚥下内視鏡検査
鼻から細いカメラを通してのどの奥を直接見ることができる検査です。
食事観察
実際にお食事をしているところを観察します。どんな姿勢で食事をしているのか、どんな食事でむせるのかなど確認します。

その他、患者様の必要に応じた検査を行います。

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どんな治療?

嚥下訓練
安全な「食べ方」を身につける訓練や食事は使わず「力」を鍛える訓練を患者様に合わせて指導します。
口腔内装置
舌を切除した方、舌の動きが悪い方などを対象に飲み込みを助ける装置を作製します。
代替栄養法の指導
口から全量栄養摂取が困難な方には経管栄養法(食事のときだけチューブを挿入しチューブから栄養を注入する)を指導します。
食環境改善の指導
料理方法の工夫や食事時の姿勢など、より安全に楽しく食事できるよう指導します。

その他、飲みやすい食品の紹介など患者様一人一人にあったオーダーメイドの治療を行います。

嚥下障害の治療は患者様が主役です。当部の摂食嚥下外来は、安全に楽しく「口から食べる」ために患者様のお手伝いをします。一緒に頑張りましょう。

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